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【画像無し】コオロギ食のメリットと懸念点 食糧危機問題との関係性

最近、コオロギ食が色んなところで話題ですね。

食糧危機に備えるために研究開発。そのために政府が助成金を支給して後押しする一方で、有識者からは「甲殻類アレルギーへの配慮は?」「食糧危機なんてことはなく、食糧廃棄の方を問題視すべき」など、賛否両論。むしろ私調べでは、批判的な意見の方を見かけることの方が多かったかな。

徳島県高校の給食にコオロギパウダー入りのカボチャコロッケが出た際には、「子供に食べさせるな」と批判が殺到したり、JAL傘下のLCCでコオロギ入りの機内食が提供されたとして炎上したり、Pascoで知られる製パン大手・敷島製パンがコオロギパウダー入りの食パンを製造・販売したとして不買運動が起こったりと、各団体・企業に注目と批判が集まっています。

そんなコオロギ食、今後どうなっていくのでしょうか。
「コオロギ食」と調べると多くの記事でコオロギのイラストや画像が表示されるのですが、本記事ではコオロギのイラスト・画像は使用しておりませんので、虫が苦手な方も安心してお読みいただけます。

 

なぜコオロギなのか

多様なタンパク源がある中で、なぜコオロギなのか。なぜ昆虫の中でもコオロギなのか。
現時点でわかっている情報をまとめました。下の表を見ながらご覧いただけたらと思います。

  コオロギ バッタ ミールワーム カイコ
飼育難易度 簡単 難しい 簡単 簡単
発育日数 1〜1.5ヶ月 2週間 〜数ヶ月 1ヶ月
体のサイズ
食性 雑食 草食 雑食 草食(桑)
飼育効率

成長までのコストが低い

鶏や豚などの家畜を飼育した場合、調理できるようになるまで長い時間とコストを要しますが、コオロギの場合は約35日で成虫になるため、効率よく生産することができます。

体が小さいので必要な水やエサの量も圧倒的に少なくて済み、雑食のためエサの選択肢が広く、残った食品を与えるなどして食糧廃棄の問題にも貢献する可能性があります。

飼育が容易

同じ昆虫を飼育する上でもコオロギは繁殖力も高く、通年生産が可能な上、高密度飼育により効率よく生産ができるため、新たな食用資源として期待されています。

また一定の環境条件が整えば、場所を問わず簡易なキットで省スペースで生産することが可能で、環境負荷も軽減されると言われています。

高タンパク

  • コオロギ…60.0g(100gあたり)
  • 鶏…23.3g(100gあたり)
  • 豚…22.1g(100gあたり)
  • 牛…21.2g(100gあたり)

コオロギは豊富なタンパク質に加え、亜鉛、鉄分、カルシウム、マグネシウム、ビタミン、オメガ3といった体に必要な栄養素を数多く含んでおり、栄養素を効率よく摂取することができると考えられています。

またキチン質という食物繊維も多く含まれており、野菜に含まれる食物繊維と同様、腸内環境をきれいにする効果も期待できるとのこと。

安全性

しかし、まず何を食べるにしても、重要視すべきなのはその安全性でしょう。

コオロギの安全性については多くの企業が研究を行い、その安全性を謳っていますが、本当のところどうなのでしょうか?

アレルギー

前述の「高タンパク」で触れた「キチン質」ですが、これはエビやカニと同様の成分を含むため、甲殻類アレルギーの人は食べることができません。

現在発売されているコオロギ食品にはその旨が表示されていますが、今後は28品目のアレルギー食品表示に、コオロギや昆虫類を追加してもらうことが必要でしょう。

また同時に、低アレルゲン化への品種改良といった方法も検討されているとのことです。(しかしコストかけるべきところは果たしてそこなのか…)

プリン体

コオロギには100gあたり3141.9mgプリン体が含まれていると言われています。

これは多いと言われるあん肝(100gあたり400mg)のおよそ8倍に相当。(ちなみにビールは350mlあたり24mg)

もし今後これを日常的に食べるとすると、痛風になる人が続出する可能性が。
既に高尿酸血症痛風の人にはお勧めできません。

常用するには危険な数値と言えるようでしょう。

寄生虫

コオロギに限らず、未知の生物を口にする際は寄生虫細菌があることを理解しておく必要があります。

天然の生物の場合、何を食べているかわかりません。毒性のある植物を食べていれば、もしその虫を食べた場合は毒も一緒に摂取してしまうことになります。

そして前述の通り、コオロギは雑食です。食べるものの種類が幅広いため、食べるために飼育する際は徹底した管理が必要になるでしょう。

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ところで、私は先日コチニールについての記事を執筆しました。コチニールは当初は安全な着色料として流行しましたが、時を経てアナフィラキシーショックを発症する可能性があるとして危険視されるようになりました。コオロギもそうと言うわけではありませんが、被験者数が増えた後で発覚することってあるよねって話です。

私も一度、これほどコオロギ食が取り沙汰される以前に、興味本位で無印良品のコオロギせんべいを食べたことがあります。

原材料はほとんどが小麦粉で、コオロギパウダー状。見た目は普通のせんべい。風味は醤油や海老粉が入っていたので優しい和風な味わいでした。

コオロギの味は昆虫食の中ではえぐみ・苦味がない無難な部類らしく、揚げるとサクサクに仕上がり、スナックなどにも適しているとのこと。またその風味から、「陸のエビ」とも呼ばれているのだとか。

私が食べたコオロギせんべいも、コオロギ自体のえぐみ・苦味は認識できないほど良い意味で存在感はありませんでした。

見た目

コオロギ食が批判される原因として、前述の懸念があるのはもちろんですが、「見た目が気持ち悪い」「虫を食べるなんて無理」という心理的拒否感が大いにあると思います。
というか本当は、「単純に気持ち悪い」という気持ちを、表向き正当な理由をもって批判するために他の要因を挙げ連ねている、というのが事実なのでは、と思ったり。

もしそうだとすれば、企業がどれだけ研究を重ねてその安全性メリットを事実に基づいた上で公表したところで、食べない人は食べないでしょう。

それともやはり慣れの問題で、今我々が調理済みの鶏や牛、豚を「美味しそう」と感じるように、今後調理後のコオロギも「美味しそう」と感じる未来がくるのでしょうか?

食糧危機はあるのか

まあこんなこと、ただの庶民である私にはわかるはずもないのですが。

しかし、昆虫食が開発される一方で多くの飲食物が廃棄されている現実。
令和4年6月の農林水産省発表の資料によれば、日本全体の食料廃棄量は約1,624万トンと計算されており、一般廃棄物処理費用は年間2兆円にも及ぶそう。

果たして本当に「食べ物が無くなる」のだろうか?
先に解決しないといけないのは、このフードロス問題なのではないだろうか?
廃棄物処理費用を農業や畜産に回すことができれば、しばらくは延命できるのではないか?

まあそう簡単にはいかないから昆虫食なんてものが広められているのかもしれませんが。それにしても、日本の食料自給率は低く、海外からの輸入に頼っているにもかかわらず、それを廃棄して昆虫ビジネスとは、お金も食べ物も使い方もったいない。

食糧危機は今後終息するのではないかとして、ホリエモンさんが動画を配信していました。大変興味深い内容です。

投資対象になるのか

さてここからは、ビジネスとしてコオロギ食は今後どうなるか。

前述の通り、各団体・企業がコオロギビジネスに着手しており、今後成長する分野であるなら投資対象としてポートフォリオに組み込みたいのが投資家心理。

しかし現時点での国民の反応を見る限りだと、その将来性には不安が残ります。政府がどれだけサポートしても、買い手が無ければ大きな成長は見込めません。

2023年1月にリクルートが公表したアンケート調査によれば、昆虫食を「できれば避ける」と答えた人は88.7%、「絶対に避ける」は62.4%という結果に。
SNSで「コオロギ」について触れる人のほとんどは「絶対に食べない」と強い拒否反応を示しているほど。

また前回記事にしたコチニールのように、ある時期までは好調でも、1つの出来事が原因で失速する可能性もゼロではない。
それは全ての投資においてそうですが、このコオロギビジネスに関してはネガティブな意味での注目度も高いことから、よからぬニュースで取り上げられて失速する確率は高いと言えるでしょう。

なので投資するか否かはせめぎ合いです。

しばらくは様子見

食べるにしても投資にしても、私はしばらく様子見します。

それにしても納豆でもふぐでもタコでもいなごでも、なんでも食べようとする精神。人間ってのは恐ろしいものです。今は食べられていない生き物たちは戦々恐々。明日は何を食べようとすることやら。